マイキングテクニック

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■マイキングの基本
最良の音質で収音するには、音源に適したマイクロホンを選び、適切な位置に設置することが必要です。マイクロホンの選択と設置方法が正しければ、収音した信号をエフェクタやプロセッサで後処理する必要はほとんどありません。

(1) 音源の周波数帯域に適した周波数特性のマイクロホンを選びます。音源の最も高い周波数より上の帯域や、最も低い周波数より下の帯域は、収音しないようにします。

(2) 音源からの距離や位置をいろいろ変えてみて、音質のバランスと部屋の残響音の量が自分の好みになる点を見つけ出します。距離や位置を変えても好みの音にならない場合は、違うマイクロホンに変えたり、周囲からの音を遮音したり、音源自体の音を変えてみます。例えば、使い古した弦を張り替えるだけで、ギターの音は変わってきます。

(3) 部屋の残響特性が悪かったり、不要な音を収音してしまう場合は、音源の中で最も音量が大きい部分にマイクロホンを近づけるか、周囲からの音を遮音してみます。そして再度、違うマイクロホンを試したり、マイクロホンの位置や遮音の方法を変えてみて、求める音質に近づけていきます。


Vocal
ライブ(ハンドヘルド型マイクロホンを使う場合)


  • ●ウインドスクリーンに触れるか数cmの距離に、唇を近づける。
  • ●低音域が強調された力強い音質。
  • ●イコライザで低音域を下げると、より自然な音質になります。

Vocal

スタジオ(スタジオ・コンデンサ・マイクロホンを使う場合)

 


  • ●20cm~30cmの距離から、唇と鼻の間に収音軸を向ける。
  • ●自然な音質。
  • ●吹いた息や子音による破裂音(パ行、バ行、タ行、ダ行など)を減らすには、唇から少しだけマイクを外すか、ポップフィルタを使用します。
  • ●ボーカル用として多く用いられている単一指向性(カーディオイド、スーパーカーディオイド等)のマイクロホンは、正面からの音を最も優れた感度で収音します。マイクロホンは口に向かってまっすぐ持ち、口に付くくらい近づけることで、そのマイクロホンの持つ最良の音質を得ることができます。
  • ●マイクロホンと口の距離や角度をコントロールすると、繊細な音からパワフルな音まで幅広く表現できます。自分の声の音質がどのように変化するかいろいろと試してみて、自分のマイクロホンに慣れることが大切です。


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Acoustic guitar

20cm 離して、サウンドホールの正面に真っ直ぐ向ける。


 

  • ・  低音域が強調された音質。
  • ・  イコライザで低音域を下げると、より自然な音質になります。

10cm~20cm離して、ブリッジに向ける。


 

  • ・ 暖かく柔らかい音質だが、細部の情報は少ない。
  • ・ ピックや弦からのノイズを収音しにくい。

表面板と平行に、上方15cmからブリッジに向ける。

 

  • ・ 自然でバランスの良い音質。
  • ・ 環境音や周囲の不要な音を収音しにくい。

サウンドホールの外側に小型マイクロホンを留める。

 

  • ・ 自然でバランスの良い音質。
  • ・ 演奏者が動き回ることができます。周囲の不要な音を収音しにくい。
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スピーカーのコーン(円錐形の振動板)の中心に向けて、グリル(金属または布のカバー)から約10cm離す。

 

Amp

  • ・ 自然でバランスの良い音質。
  • ・ スピーカには指向性があり、角度や距離によって音質が変わります。スピーカ中央の軸上では刺すような音質が、軸外や端では柔らかい音質が得られます。
  • ・ スピーカキャビネットの置き方によっても音質が変わります。床面上に置くと明るさが少なくなり、床から離すと低音が出なくなります。また、壁や他の物体との距離も、音質に大きく影響します。
  • ・ ベースアンプでは、イコライザで250Hz付近を下げ、1,500Hz付近を上げると透明度が改善します。
  • ・ キーボードアンプでは、イコライザで低音域を下げると透明度が改善します。高音域を下げると、ヒスノイズ(サーという雑音)を抑えられます。
  • ・ 50cm以上離して2本目のマイクロホンを設置できる場合、環境音や空気間を収音してミックスするという手法もあります。

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Drum
ドラムセットは、収音が最も複雑になる音源の一つです。基本的には、シンバルやタムなど一つ一つの部分を、独立した楽器として収音します。ドラムは大きな音圧を発生するため、楽器の近くに設置するマイクロホンは、少なくとも130dB SPLの最大音圧レベルに対応できるものを選びます。また、複数のマイクロホンを近接して設置することによる干渉を防ぐため、特定方向からの音を排除できる単一指向性のマイクロホンを選択します。単一指向性マイクロホンを音源に近接させると、低音域が強く出ます(近接効果)。これを補正するには、低音域の特性が下がったマイクロホンを選ぶか、イコライザで調整します。反対に、この近接効果を利用して、低音域を増強することもできます。

(1)オーバーヘッド(シンバル)

Drum

  • ・ ドラムセット中央、演奏者の頭上30cm~1m位の高さ。
  • ・ 自然な音質。
  • ・ ドラムセット全体の音を演奏者が聞いている音質で収音できます。
  • ・ シンバルだけを収音するにはイコライザで低音域を下げ、さらに強調するには10kHz付近を上げます。
  • ・ シンバルの響きが強すぎる場合は、ベル(中央の隆起部分)からリム(周縁部分)へ放射状にマスキングテープを貼ります。

 

(2)バスドラム(キックドラム)

  • ・ バスドラム内部のヘッド(打面に張られている皮)から3cm~15cm離した位置から、ビーター(ドラムを直接叩く部分)に向ける。もしくは、バスドラム内部にバウンダリマイクロホンを置きビーターに向ける。
  • ・ 豊かで打音が強い。
  • ・ 毛布などをバスドラム内部に置くと、低音が締まり余分な響きを抑えられます。低音が強すぎる場合は、ビーターが当たる位置にパッドを張ります。
  • ・ アタック音を強調するには、2.5kHz~5kHz付近をイコライザで上げたり、木製のビーターを使ったり、ヘッドを弛めてみます。
  • ・ 振動音が混ざる場合は、ヘッドへ対角線上にマスキングテープを張ります。
  • ・ マイクロホンを中心からずらすと、倍音成分が多く収音されます。

 

(3)スネアドラム

  • ・ リム(外側の枠)の位置からヘッド(打面に張られている皮)に向ける。
  • ・ 豊かで滑らかな音質。
  • ・ イコライザで4kHz~6kHzを上げるとアタック音を強調できます。

 

(4)ハイハット

  • ・ 周縁部の上方10cmから真下に向ける。
  • ・ 自然で明るい音質。
  • ・ ハイハットを閉じるときの空気音を収音しないように、距離を調整します。
  • ・ イコライザで低音域を下げると、不要な音を抑えることができます。
  • ・ 使用できるマイクロホンの本数が限られている場合、スネアドラム用のマイクロホンをハイハットに向けたり、オーバーヘッド用のマイクロホンで兼用することも可能です。

 

(5)タム、フロアタム

  • ・ リム(外側の枠)の位置からヘッド(打面に張られている皮)に向ける。もしくは、2つのタムの間のヘッド近くに、1本のマイクロホンを設置する。
  • ・ 豊かで打音が強い。
  • ・ イコライザで4kHz~6kHzを上げるとアタック音を強調できます。

 

※使用できるマイクロホンの総数が限られている場合は、番号の小さい方から設置していきます。例えば、使えるマイクロホンが3本の場合、(1)オーバーヘッドと(2)バスドラム、(3)スネアドラムに設置します。
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