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UMEDA CLUB QUATTRO 様
DiGiCo Quantum338

「CLUB QUATTRO」は全国に4店舗を展開し、国内外の有名アーティストが公演を行うライブハウスです。多くのアーティストにとって目標となるライブハウスであり、過去の出演者にはLenny Kravitz、Nirvana、Björk、CYNDI LOPER、NORAH JONES、Radio Head、Oasis、LINKIN PARKなどのビッグネームが名を連ねます。

この度、大阪にあるUMEDA CLUB QUATTRO様にDiGiCoのデジタル・ミキシング・コンソール「Quantum338」が納入されました。その経緯や実際に運用した感想を音響管理を手掛けるサウンドエンジニア 『テイクファイブ』の神田 清和さんに伺いました。

運用開始:2025年2月
 

▲UMEDA CLUB QUATTRO 様に納入されたDiGiCo「Quantum338」
 
▼大阪の地で30年以上の歴史を持つライブハウス
CLUB QUATTROは国内外のビッグネームが公演を行い、多くのアーティストたちが目標とする屈指のライブハウスです。大阪の地に初めてCLUB QUATTROがオープンしたのは、1991年の心斎橋でした。それから20年にわたりSHINSAIBASHI CLUB QUATTROとして親しまれてきたライブハウスはいったん幕を閉じ、2012年にUMEDA CLUB QUATTROとして新たにオープンしました。UMEDA CLUB QUATTROのホールには心斎橋時代からのアーティストのサインやステッカーが飾られており、来場者は歴史を感じるとともに思い出を懐かしむことができるようになっています。
 
この度、UMEDA CLUB QUATTROのメインコンソールとしてDiGiCoの「Quantum338」が導入されました。その経緯や実際に運用した感想を、音響管理を手掛けるサウンドエンジニア 『テイクファイブ』の神田 清和さんに伺いました。

▲PAブースのDiGiCo「Quantum338」 オペレーターの神田 清和氏と

▼DiGiCoの「Quantum338」の導入にあたって
---------早速ですが、Quantum338導入の経緯を教えてください。

神田:オープン当初から10年以上使用していたコンソールの更新時期となり、次のコンソールをどうするかを決めなければいけなくなりました。メーカーの情報やゲストオペレーターさんのご意見・オススメをリサーチし、2025年より向こう10年使用する前提で協議を重ねた結果、Quantum338が順当であるという結論となりました。

海外アーティストの公演などゲストオペレーターがハコのコンソールを触る機会も多いので、ツアーデータをそのまま使えるという点が決め手の一つなのですが、コンソールのメンテナンス等を担当していただいていたヒビノさんの信頼のおけるサポートを継続したい部分も大きく、取り扱い商品にDiGiCoがあって良かったと思っています。
---------うれしいコメントをいただき、ありがとうございます。

▼音を配置する空間のキャンバスが広がった感覚
---------同時導入されたSD-RackやSD-MINI Rackには32bitカードを挿入すると決めていたのですか?
神田:I/Oラックに差し込む32bitカードも音の良さを追求するうえでは目標とするところでしたので、32bitカードの存在はマストでした。従来の24bitよりビット数が増えている影響もあり、高解像度・クリアで濃いという印象を受けています。分離が良く、音像が近くなりました。音像が近いという事は奥行きが増えてコントラストや陰影がつけやすく、音を配置する空間のキャンバスが広がった感覚があります。

▲    32bitのI/Oカードが挿入されたSD-Rack(左)とSD-MINI Rack(右)

例えば、スカBANDのようなHORNをGROUP等でまとめていたとします。少し下げて他のセクションと調和をとりたいが存在感はそのままにしたい場合、通常だとGROUPを少し下げて調和をとるのですが、そのかわりに存在感が少し薄れてしまうので、その分こうしようと作業が続く場合があります。それが、Quantum338とSD-RackだとGROUPで少し下げても存在感は良い意味であるので、作業としてワンタッチで完了できます。コーラスなども同様です。前に出過ぎず、少しだけ後ろ目で しっかりといるような位置が探りやすくなりました。それに、聴感上の音圧が上がって聞こえるので、AMPにも余裕ができてメリットが多いです。
 
▼クリアな音質で評判も上々
---------オペレーターからの反応はいかがでしょうか。
神田:
リサーチの結果に基づいている部分もあり、ゲストオペレーターの皆さんのQuantum338の印象はもちろん良いですよ。それぞれの好みで48/96kHzを選んでオペレートしていますが、ほぼ音の変化を感じてもらえていますし不満の声などは聞いたことがありません。

2023年秋頃にリサーチを参考にし始めたころにはライブハウスで出回っている数が少なくて、操作部分の質問が多くなり管理対応が大変では?という意見もありましたが、この2年間に浸透したのか操作面での質問は思っていたより少ないです。ユーザー・ツアー等で使われている方など使い慣れている方たちも多く、かえってこちらがルーティング等の勉強をさせていただいております(笑)。

▲    umeda CLUB QUATTROのステージ
 
▼PA向きに手数が少なく済むようになっている良い卓
---------Quantum338を実際に操作した印象はいかがですか。

神田:ノブやスイッチの触った感じや視認性の良さ、手数が少なく済むところはPA向きによく考えられていると思います。良い卓ですね。
GAIN / FILTER / ダイナミクス / AUX 等のエンコーダーノブにある程度の重みがあり、指1本をあてるだけでも回転するので微調整しやすく扱いやすいです。ON/OFF スイッチボタンも押しやすい大きさで、感触よく押し込めます。機能を切り替えると、エンコーダーの色が連動して切り替わるので視認性が良く、どのモードにいるのか把握しやすいです。

ダイナミクスでは、COMPの掛かり具合をHARD/MID/SOFT より選べるので、デジタルCOMPにありがちな掛かり過ぎている感が無く追い込めますし、GATEの開き方/閉じ方がとても自然です。スレッショルドの調整だけで他は触らなくても良いぐらい扱いやすいので非常に助かっています。
▲ダイナミクスの画面

最近 ようやくMustardを使い始めたのですが、TUBEセクションはMustardを選択した時しか現れませんので誤って押す事も無く、操作面の工夫があるなと感じました。そしてそのTUBEはとても便利です。このブロックだけVoを歪ませたいというような要望の場合、ALT INPUT側に同じチャンネルををINPUTしておき Mustard TUBE で歪みを用意してマクロやSnapShotで切り替えれば、チャンネルを割かずに瞬時に戻せます。卓内で完結できてしまうのは、とてもうれしいですね。

Spice Rackはリアルタイムでグラフィックが表示されて掛かり具合を把握しやすいですし、そのほかにも、COMPでInsertポイントを選べたり、Q幅が広いEQだったりと便利な機能はたくさんあって、語り切れないです(笑)。

それと、これは言っておかないと。Quantum338にはUB MADIが内蔵されているので、インターフェースもいらずUSB-Aの端末で直接 PCに入力してマルチ録音/再生できます。ゲストオペレーターさんは、PLAY BACKしてバーチャルでチェックする方もいます。

---------今後のDiGiCOに期待することはありますか?
全体的にすごく良くできた卓ですけど、期待することがあるとしたら液晶画面の改善ですかね。全体の情報が俯瞰で見れる部分は、トラブルの解決が早く無駄な時間が省けるので良い部分だと感じています。その分、液晶内の文字が小さく人によっては見えずらいという意見もあり、全体の情報が見れるモードとリモート操作する時のDiGiCo Quantum Appの画面操作を本体のタッチパネルで選択 / 切り替えができるようになることを期待します。

---------お忙しい中、ありがとうございました。
 

主要な納入機材

機材 ブランド名 製品名
デジタル・ミキシング・コンソール DiGiCo Quantum338-WS(HMA)
I/Oラック DiGiCo SD-Rack、SD-MINI-Rack(HMA)
DMIカード DiGiCo MOD-DMI-DANTE2
 
 
 
 UMEDA CLUB QUATTRO

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