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【TIPS】キックドラムのマイキング

ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
最新の製品情報と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

2023年6月

はじめに

音質の評価はとても主観的なため、こちらで紹介するマイキングはあくまでも提案のひとつです。楽器の響きを的確に捉えるスイートスポットや好みの音質が得られる位置を探し出すことは簡単ではありませんが、ここでお伝えする内容を参考に、ご自身にとって最適な方法をお探しください。
   

楽器としてのキックドラム

 


キックドラムはドラムセットの中で最も大きく、最も低い周波数を持つ楽器です。そしてそのサウンドは本体のサイズやヘッド、チューニング、ミュートやフロントヘッドのホール有無などによって大きく変化します。

たとえばジャズドラマーは、18インチ以下の小型かつ薄いヘッドのドラムを、ハイピッチのチューニングにする傾向があります。ジャズ用キックドラムの多くは穴がなく、ドラム外側でのマイキングになるため、中音域が強く丸みのある音になります。よりアタック感がほしい場合はバターサイド(打面)に向けてマイクを設置します。

対照的に、ロックで使用されるキックドラムは、直径22インチ(最大24~26インチ)で、穴の開いたフロントヘッドが定番です。ロックドラマーの多くは強いアタック音とローエンドを得るためにヘッドを厚くしたり二重にするなど低いチューニングを好みます。マイクは、穴から入れてドラム内部に設置することで、ビーターがバターサイドに当たったときのアタックをしっかりと拾うことができます。

また穴のないドラムではローエンドが強調されすぎる場合があります。この場合、マイクをキックドラムの内側へ常設するか、外側からマイキングすることでアタックを抑えられます。

ドラムセットは非常に音圧が高く156dBを超えることも珍しくありません。そのため、クリップせずこのレベルに対応できるマイクを選択する必要があります。

キックドラム用マイクの設置

キックドラムはとても大きな楽器なので、本体上部や周囲などマイク設置位置の候補が多数あります。そのため、必要な音質に応じて柔軟なマイキングが可能です。


 
たとえばキックドラムの外側、フロントヘッドの端にマイクを置くだけで強いインパクトを得られます。ただし、圧縮された大量の空気が穴から出てくるため、ウィンドノイズ、ポップノイズには注意してください。通常はマイクの角度を調整することで解決できます。
 
指向性のあるマイクを使用してクローズマイキングをする場合は「近接効果」のため低域が増幅します。またフロントヘッドのチューニングが低い場合、穴の縁にマイクを設置すると低域に影響することがあります。



これに対処してパンチのある音を得るには、マイクをドラムの内側に設置してみてください。外側ほどは音圧レベルが高くならないため、低域が緩和され、より自然でフラットな音になります。(もちろんキックドラムは千差万別なので、例外も多く存在します。)

自然な音質で周囲の音と調和させたい場合は、無指向性マイクのステレオキットをキックドラムの前から約1メートル離れた、低い位置に置くのが最適です。

このようにキックドラムのマイキングにはさまざまな方法がありますが、音楽のジャンルやプレイスタイルによって最適なマイキング、そして音質は異なります。最良の音質を得るためにはいろいろな方法を試すことが重要です。
 

キックドラム用マイクの種類

一般的に使用されているキックドラムマイクの多くは「ダイナミックマイク」です。歴史的に見ても、サウンドエンジニアやドラマーに選ばれてきている定番と呼ばれるマイクはダイナミック型のものです。

一方で、DPAが提案するキックドラム用マイクはコンデンサー型です。コンデンサー型のマイクにはダイナミック型では補えないメリットがあります。

一般的なダイナミックマイクは、特定のジャンルに合わせて音質調整がされています。そのため"ジャズ向きなマイク"、"ロック向きのマイク"、"クラシックに向いているマイク"など、音楽のジャンルによって特性のあったマイクを選択する必要があります。

一方でDPAが提案するコンデンサーマイクは、色付けのないフラットな特性に調整されているため、ジャンルを選ばずにキックドラム本来の自然な音を収音することができます。ドラム本来の音を得るには、フラットな特性のコンデンサーマイクが適しています。
 

DPAが提案するキックドラム・ソリューション

4055 キックドラム用マイク  

明瞭でリニアな音質を提供するキックドラム用マイク。
特徴的な非対称設計により、ドラムの内側・外側いずれにも設置可能。

 

2012 カーディオイド・マイクロホン 
最大音圧レベル156dB、あらゆる楽器の近接収音に対応するオールラウンドモデル
ライブシーンで真価を発揮する楽器収音用マイクロホン

 

2015 ワイドカーディオイド・マイクロホン 
ドラムのオーバーヘッドやグランドピアノなど空気感のある収音に最適
ライブシーンで真価を発揮する楽器収音用マイクロホン


 
2011C 単一指向性マイクロホン 
ふたつのミニチュアカプセルを搭載したツインダイアフラムタイプ。
距離や角度を調整しやすい、コンパクトで汎用性の高いモデル。

 

CORE 4099 楽器用マイクロホン 
マイクスタンドが不要のためマイクを目立たせずに収音できるコンパクトなモデル。
バイオリン用クリップVC4099を使ってキックドラムのリムへ設置可能。
スネアやタムへの取り付けに対応するドラム用クリップDC4099も用意。


 

4041-SP ラージダイアフラムマイクロホン 
スタジオクオリティの高品位モデルです。ディテールまで捉え、最高の音質を提供します。


3532 4041-SPのステレオキット 
4041-SPのステレオキットです。

 

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