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グランカッサの収録にDPA 4055(キックドラム用マイク)が使用されました
2023年9月1日

パーカッション奏者藤本隆文氏が演奏する ヤニス・クセナキスの打楽器独奏曲「Rebonds」が、Apple MusicからDolby Atmosでリリースされました。収録にはDPAのキックドラム用マイク4055のほか、4006と4011が使用されています!

2023.9.28 追記)
Amazon Musicにて「360 Reality Audio」でもお聞きいただけるようになりました!
https://www.amazon.co.jp/Rebonds-a/dp/B0CFM46LDM
※試聴にはAmazon Music Unlimitedのご契約が必要です。
 
DPA 4055は昨年発売されたキックドラム用マイクです。

●キックドラム用マイク DPA 4055

 キックドラム用マイクとしては珍しくコンデンサー型であるだけでなく、全体域に渡ってフラットに調整された周波数特性や最小限のスペースに配置できるよう計算されたアシンメトリーデザインなど、DPAのこだわりが詰まった製品です。

「フラットな周波数特性」はDPAサウンドの特長のひとつで、ドラム本来の響きを正確にピックアップするため、音楽のジャンルやプレイスタイルを選びません。



今回の収録ではグランカッサ(大太鼓)の収録に使用されました。

  <リハーサルの様子>


本楽曲は東京藝術大学教授亀川徹氏がレコーディングエンジニアを務められ、制作・レコーディング サポートとして篠原麻梨氏、プロデューサー兼マスタリングエンジニアとして粟飯原友美氏が参加されています。また東京藝術大学音楽環境創造科の学生もスタッフとして参加するプロジェクトとして、東京芸術大学 千住キャンパス内のスタジオにて収録されました。

レコーディングエンジニア、関係スタッフからDPA 4055についてコメントを頂きました。

「DPA 4055はキックドラム用マイクということで低音が強調された音を予想していましたが、コンデンサーマイクらしい色付けのないフラットで素直な音色でした。キックでいうアタック部分の帯域が綺麗に前に出ており、DPAのコンデンサーマイクらしいワイドレンジでクリアなサウンドだと感じました。

一方でボトムの押し出しはあまりないので、今回のレコーディングにおいては出音や持っていきたい仕上がりに対し少し腰高な印象がありましたが、キックの中からビーターを狙った時の扱いやすい大きさや、吹かれ対策の為のグリル構造はキック用マイクというだけあって、よく考えられていると感じ、ジャンルや出音によってはマッチするものがあると思います。」

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このほか、DPA 4006およびDPA 4011は高い位置に設置して空間の収音に使用されました。

 
左)無指向性マイク:DPA 4006  右)単一指向性マイクDPA 4011
 
  

 

下記リンクよりご視聴いただけます。
イヤホン、ヘッドホンを使ってぜひご視聴ください!

■Apple Music
「Rebonds – Dolby Atmos」
https://music.apple.com/jp/album/rebonds-single/1699110104
 
プロフィール

亀川徹 – Toru Kamekawa
東京藝術大学教授/音響学、録音技術
九州芸術工科大学音響設計学科卒業。日本放送協会(NHK)にて番組制作業務(音声)に従事し、N響コンサートなどの音楽番組を担当するとともに、ハイビジョンの 5.1 サラウンドなど新しい録音制作手法の研究に携わる。2002年10月より音楽環境創造科に就任。
著書に『音楽音響 (音響学講座 9) 』(2023年、編集・共著/コロナ社)、『音を追求する』(2016年、大橋、佐藤編、共著/放送大学教育振興会)、『音響技術史』(2011年、森、君塚、亀川共著/芸大出版)、『サラウンド入門』(2010年、沢口、中原、亀川共著/芸大出版)などがある。AES、日本音響学会、日本音楽知覚認知学会、日本オーディオ協会、日本音楽スタジオ協会会員。
博士(芸術工学)。

篠原麻梨  - Mary Shinohara
レコーディング、ミキシングエンジニア。AVACO CREATIVE STUDIO , ON AIR 麻布で劇伴からアーティスト作品、純邦楽まで幅広く作品制作に携わり、2010年からフリーランスで活動をスタート。同時にVictor Music Artsとプロデューサー契約を交わしたのをきっかけに海外のエンジニアプロデューサーの活躍や制作ノウハウに意識を向ける。2016年にスタジオ環境でDolby Atmosに触れて以降、その表現力の豊さに感銘を受けAES会員として学びの場を広げ、現在も学びの途中である。

映画:「月の満ち欠け」「弱虫ペダル」,ゲーム:「Ghost of Tsushima」「モンスターハンター RISE SUNBREAK」,アーティスト:海蔵亮太「コトダマ」,清春「夜、カルメンの詩集」他、DolbyAtmosでの制作にも携わり、映像作品を中心に国内外問わず活動中。

粟飯原友美 – Tomomi Aibara
ハリオンマスタリングスタジオからマスタリングエンジニアとしてのキャリアをスタート。その後、アンズサウンド 、サイデラマスタリングを経て、2017年に自身のマスタリングスタジオをオープン。マスタリングでは、ジャズ、クラシックからアニソン、ロックまで比較的幅広く手掛ける。
代表作としては、ASKA、松井慶子、鈴木慶江、井上銘、LEN、など。
ホールでのクラシックの録音やライブレコーディングでも作品に関わり、また、空間オーディオ(Dolby Atmosや360RAなど)のマスタリングも手がける。
 - Winns Mastering 公式ホームページ

アーティスト:藤本隆文 - Takafumi Fujimoto
ティンパニ奏者。ジュネーブ国際音楽コンクール打楽器部門第2位。日本管打楽器コンクール打楽器部門第2位。ルクセンブルグ国際打楽器コンクールにおいて「打楽器4重奏団Shun-Ka-Shu-Toh」のメンバーとして第2位。オーケストラやソロ打楽器の分野での活動の他、ジャズをベースにした即興演奏の分野にも活動の幅を広げつつある。