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LINUS CORE

LINUS CORE

第二世代の高性能チップ「SHARC」を使用したLINUS COREは、 32bitのフローティングポイント演算によって生み出された 膨大なプロセッシングパワーで妥協のない音質を提供。
FIRフィルターを採用した独自のアルゴリズムにより、 完全なリニアリティと優れたサウンドパフォーマンスをもたらします。

FIRプリセット・テクノロジー 全周波数帯域におけるリニアフェーズの実現

従来のIIRフィルターでは、周波数特性は良好でも位相特性はのこぎり型になっており、良好とは言えません。

これは、低域ほど遅れて再生されていることを示しており、音にはパンチ力がなくコヒーレントでもありません。また、ラインアレイやコンパクトボックスなど異なる機種ではそれぞれの位相特性が異なっているため、組み合わせて使用するときに位相をそろえられません。

リニアフェーズになるような設計が可能であるFIRフィルターにおいても、一般的には96kHzで1,024ほどのタップ数なので、1kHz以下において正確性が非常に貧相になり、実際のシステムでも1kHz以下では微細なフェーズレスポンスしか提供できません。FIRフィルターで低域までリニアフェーズを得るには多くのタップ数と大きなレイテンシーが必要になることが知られています。しかし、プロオーディオでは、大きなレイテンシーは実用にならず、一方でDSP自体のプロセッシングパワーの欠如が挙げられます。

この大きなレイテンシーと位相の不正確さを克服するため、CODA AUDIOは独自のアルゴリズムを開発しました。1kHz以上の周波数には1,024タップ、1kHz以下には8倍のダウンサンプリングと8回のループを行って、計9,216ものタップを使用。低域までの位相特性をリニアに調整し、結果、60~200Hz(+0°/-30°)、200Hz~20kHz(±0°)において、フェーズジャンプ(位相跳躍)を全くおこしておらず、全周波数帯域でリニアフェーズを実現したといえるでしょう。また、レイテンシーもこれだけの計算を施しながら、11.7msに収めています(※)。

IIRフィルターによるViRAYの位相特性    FIRフィルターによるViRAYの位相特性
IIRフィルターによるViRAYの位相特性  FIRフィルターによるViRAYの位相特性

ユーザーにとっての利点は、より良い音というだけでなく異なったシステム同士(たとえば、AiRAYメインでViRAYをフロントフィルにする仕様)の使用においても全体のよりよいコヒーレントが得られる点です。常にリニアフェーズの音源であり、システム間のタイムアライメントも取れていれば全体でコヒーレントなサウンドが得られます。

(※)11.7msのレイテンシーは、AiRAYとViRAY。ニアフィールドでの使用を想定したTiRAYや他のシステムは、低域の位相特性を若干許容してタップ数を調整。レイテンシーを6msに抑えて小規模なアプリケーションでも使いやすくしています。