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Linkin Parkが復活! DiGiCo、KLANG、Fourier Audioと組んで「From Zero」ワールドツアーを開催
Linkin Parkが復活! DiGiCo、KLANG、Fourier Audioと組んで「From Zero」ワールドツアーを開催
FOHのQuantum852とモニターのQuantum338に、Fourier Audioのtransform.engin
eとKLANG:konductorを加えたシステムです。
Linkin Parkの「From Zero」ワールドツアーをミキシングするFOHエンジニアのJim Ebdon氏
Fourier Audio transform. engineを搭載したDiGiCo Quantum852コンソール
(photo credit: Ricki Cook, @rickicook)
7年間の活動休止後、グラミー賞を2度受賞したLinkin Parkが再びツアーを開始します。「From Zero」と銘打ったワールドツアーは50公演を超え、1月31日のメキシコ・シティのエスタディオGNPセグロスから11月15日のブラジルのポルト・アレグレまで、世界各地のスタジアムやアリーナを回ります。バンド共同設立者のMike Shinoda氏は、グループの新しいセットを宣伝するツアーについて声明の中で、「ツアーに戻れるなんて信じられない。ファンのサポートは圧倒的で、このエネルギーを世界中に持っていく準備はできている。」と語っています。
昨年末、バンドが今後何度も公演を行うことになるであろうヨーロッパやアジアなどの主要地域でミニ・ツアーを行った際、一部の人々は今後の展開を知ることになりました。このツアーでは、新メンバーの共同ボーカル、Emily ArmstrongとドラマーのColin Brittainを紹介し、アルバム・シングル 「The Emptiness Machine」 と 「Heavy Is the Crown」 を発表したからです。
FOHにはQuantum852を、モニターにはQuantum338を使用し、2台のSD-Rack(ステージ左右に各1台、トラック再生用にSD-MiNi Rackを1台)をOptocoreのデュアルループで共有しています。さらに、FOHにはFourier Audioのtransform.engine v1.3ソフトウェアとtransform.suite '25が搭載され、モニターには没入感のあるKLANG:konductorの IEMモニター・ミキシング・システムを使用します。このDiGiCo中心の機材はすべて、ツアーのテクノロジー・ベンダーであるSound ImageとClair Globalブランドから提供されています。
KLANG:konductorを搭載したDiGiCo Quantum338コンソールでLinkin Parkの
「 From Zero 」ワールドツアーのモニターをミキシングするPasi Hara氏(photo credit:Hugo Pinzon)
このツアーのFOHエンジニアである Jim Ebdon氏はこのバンドの新メンバー。招聘された際の厳重な秘密保持契約について、苦笑交じりに語ります。「周囲に尋ね始めたのは昨年の4月頃だったんだけれど、もちろん厳重に守られた秘密だったから誰もバンド名を名乗らなかった。」と回想している。これは、バンドが新しい人員構成で強いインパクトを残したかったことの現れであり、最初のライヴは9月にロサンゼルスのワーナー・スタジオで行われた。プライベートなライブでしたが、期待通りの成果を上げ、「その一員になれたことは本当に素晴らしかった」と振り返ります。
同じくらいインパクトがあるのはDiGiCoのコンソールです。2002年にDiGiCoの創設者Bob Doyleからシリアルナンバー5のD5コンソールを買ったというEbdon氏にとっては、決して目新しいものではありません。「彼はイギリスの私のキッチンでコーヒーを飲みながら、私に1台売ってくれたんだ。」と回想する。「だから、私はDiGiCoが誕生したときからのユーザーなんだ。この新しいQuantum852のサーフェスのレイアウトは素晴らしいね。クリーンで存在感のあるサウンドだけでなく、コンソールの外観や操作性も洗練され、大きな明るいスクリーンを備えている。操作するのが本当に楽しいんだ」
Ebdon氏はSpice Rackプロセッシングの大ファンで、コンプとEQをよく使用しています。「このタブを開くと、各チャンネルにデフォルトのコンプとEQが用意されていて、これがとても便利なんだ。私はEQが好きなんです。ちょっとした甘味料みたいなものでコンソール全体の出音が良くなるんだ」と語ります。
Linkin ParkのFOHエンジニア Jim Ebdon氏は、「この新しいQuantum852サーフェスが大好きだ」と語る
(photo credit: Janell Riedl, @3ig_j)
Dante接続が搭載されていることも、ワークフローに大きな違いをもたらしています。「現場にはたくさんの入力があり、私の頭の中では、おそらく60ほどの音楽入力をミキシングしています。また、Pro Toolsのプレイバックから直接Dante接続が可能で、ギター・システムもすべてボックスに入っているので、そこからDanteでスプリットするだけです。アナログのバックアップもたくさんあるので、すべてのラックとソケットファイルは入力でいっぱいです。ドラムのトリガーもインプットソースとして存在し、後でサンプリングしたり、その場でサンプリングしたりできる。また、スナップショットやマクロの使い方にも重きを置いている。インプットを切り替えて、BインプットやCインプットのセット全体に移動したり、いくつかのチャンネルをミュートしたり、まったく別のラックから入ってくるチャンネルをオンにしたりもできる。自分のワークフローのために、そういうことをプログラムできるのが好きなんだ。だから、多用途に使える性能は信じられないほどだ。Quantumはそのすべてを見事に管理してくれる。」
また、Fourier Audioのtransform.engine( v1.3ソフトウェア)と新しいサブスクリプション・バンドル「transform.suite '25」の2つは実際FOHで活躍しており、リダンダントを組んでいます。Ebdon氏はFabFilter、Valhallaリバーブ、Fairchild 1176とLA-2A、Tube Techなど、お気に入りのプラグインをロードしており、「私がよく使うものは全て入れたよ。もちろん、バンドが録音で使っていたものも。」と語っています。「時々、特定のディレイや奇妙なエフェクトのリクエストが来て、実際のセッションから彼らのプラグインの写真が送られてくるんだ。そこでパラメーターを可能な限り一致させて、録音されたエフェクトをステージで再現することができたのさ。Fourier Audioは創立してまだ日が浅いけど、とてもしっかりしているよ。実は、今こうして話している間にもプラグイン一式をロードしているし、4月の最初のショーには間に合うよ。」
モニター側では、エンジニアのPasi Hara氏がラインナップの中で一番好きなQuantum338にKLANG:konductorの IEMミキシング・システムを組み込んでいます。「Q338が提供する柔軟性はワークフローにとって信じられないほどで、ポイント・トゥ・ポイントで必要なところに簡単にルーティングでき、ヘッドアンプをFOHと共有することもできます。」と語っています。
「KLANGとはもう10年来の付き合いのようなもので 、
今ではほとんど全ての仕事で基本的に僕のツールキットの一部になっている。」と語る、
Linkin Parkのモニター・エンジニア Pasi Hara氏
モニターミックスには多様なプロセッシングが適用されており、Hara氏はQuantum338のMustardとSpice Rackのオプションを高く評価しています。また、iPadアプリを使ってコンソールのStealthデジタル・プロセッシングにリモート・アクセスできるため、ステージ上のどの場所でもチェックが可能になっています。
Hara氏は「Mustard EQをベースに、オンボードのEQで微調整する、そんな使い方をするんだ。」と語ります。「選択肢は非常に豊富で、特にChilli 6の Dynamic EQは重要なツールです。このEQを主要なバンドメンバー向けミックスに使っているんだ。アウトボードやWavesに送るよりも低いレイテンシーで結果が得られるからね。私はシステム全体のレイテンシー管理にも細心の注意を払っていて、ワイヤレスマイクからIEMベルトパックに至るまで、信号全体の通過をSMAARTで測定し、遅延の影響を最小化している。コンソール内のダイナミックEQを使えば、遅延は約0.3ミリ秒。一方、外部機器を介すると1.3ミリ秒かかってしまう。この違いは、ステージ上で聞くモニターに大きな差を生むため、非常に重要なポイントです。」
このツアーは複雑で、バンドが試したかった小さなカクテル・ドラム・セットのために、3つの入力を追加することさえ苦労しただろうとHara氏は冗談を言います。しかし、Quantum338には最新のPulseソフトウェアが搭載されており、156の入力チャンネルと72のAux/グループバスに容量がアップグレードされています。
Hara氏とLinkin Parkの両方がKLANGシステムのファンであるという事実が、Quantumのワークフローの驚くべき柔軟性をよりスムーズなものにしています。「バンドはKLANGのシステムを使ってきたので、KLANGとその機能についてよく知っている。」と、2015年にSystem Of A Downと仕事をしたときに初めてKLANGを使ったHara氏は言う。「私にとってKLANGは10年来の旅のようなもので、今ではほとんど全ての仕事で基本的に僕のツールキットの一部になっている。DiGiCoはもう単なるコンソールではないんだ。エコシステムであり、毎晩大きな変化をもたらしてくれるのさ。」
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